【ドケチ開発】Claude Codeのトークン消費を85%削る規律と「token-scrooge」
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目次
Claude Codeを本格運用していると、気づけばトークン消費(お財布)が予想以上に膨らんでしまうことがあります。 本記事では、自分の開発環境でトークン消費量を徹底的に見直し、コストを限界まで削り落とした「ドケチ」なアプローチと、その過程で得られた知見を汎用化してOSSプラグイン token-scrooge(Scrooge=守銭奴・ケチの意味)として公開するまでをまとめます。
ドケチの三箇条(TL;DR)
- メインモデルのコンテキスト肥大化を防ぐ:コストの主犯は「一番高いメインモデルに余計な情報を読ませること」です。
- 無駄のない「ルーティング規律」:読む・書くなどの重労働は安価なモデルやサブエージェントに任せ、メインモデルには「最終判断」だけを担当させます。
- 日本語をAIに読ませるのは割高:指示書やルールを英語化し、重複をカットした結果、
CLAUDE.mdのサイズを 17.8KB から 2.7KB(85%削減)に圧縮できました。 - プラグイン自体の維持費もゼロ:この節約ルールを4つのスキルにまとめた
token-scroogeを公開しました。常駐コスト(hooks)はゼロなので、気軽にお使いいただけます。
起動するだけで発生する「固定費」を見直す
Claude Codeは、起動する(セッションを開始する)たびに、以下のファイルを自動的にロードします。
- グローバル設定(
~/.claude/CLAUDE.mdとそこから参照されるファイル) - プロジェクト個別の
CLAUDE.md - 有効化した各プラグイン of hooks が注入するコンテキスト
自身の環境でコンテキストサイズを測定したところ、以下のような無駄が見つかりました。
| 項目 | 容積(サイズ) | 課金タイミング |
|---|---|---|
| プロジェクト CLAUDE.md | 17.8KB | 起動するたび(毎回) |
| 同機能プラグインの二重有効化 | 数KB | 毎ターン(チャットごと) |
| プロジェクト内スキル群 | 34.7KB | 呼び出された時のみ |
特に改善インパクトが大きかったのは以下の2点です。
- プラグインの重複有効化(二重課金):出力圧縮系プラグインの英語版と日本語版を両方有効にしてしまっていました。そのため、毎ターン全く同じ指示が2回送信され、大量のトークンを無駄にしていました。
- CLAUDE.md の肥大化:
AGENTS.mdやスキルファイル、グローバル設定など、複数の場所に似たようなルールが重複してコピペされていました。整理したところ、本当にプロジェクトに必要な情報は 2〜3KB 程度でした。
トークンを限界まで削るための対策
1. 課金タイミングに応じた「ドキュメントの仕分け」
ルールや手順は「いつ読み込まれるか」によって置き場所を分けるのが節約の基本です。
- 毎ターン・毎セッションロードされる場所(CLAUDE.md・グローバル設定)→ 常に必要な最低限のルールのみを配置。
- 必要なときだけロードする場所(スキル)→ 手順書やテンプレートはすべてここに格納。
- 重複の排除 → 同じルールを複数個所に書かず、参照リンク1行に集約。
Claude Codeの「スキル(skills)」機能は優秀で、呼び出されるまでは frontmatter の description(1〜2行)しか常駐しません。詳細な指示はスキルに逃がすことで、通常のやり取りにおける「基本料金(固定費)」を劇的に削ることができます。
2. AI向けドキュメントの「英語化」でコスト削減
AIモデルに日本語を読ませるのは、英語に比べてトークン消費の観点で割高です(日本語は英語の1.5〜2倍近いトークンを消費することがあります)。 そこで、ドキュメントの対象読者に応じて言語を使い分けることにしました。
- AIだけが読むファイル(ルール、スキル、委譲プロンプトなど)→ 英語で記述。
- 人間が読む出力(完了報告のテンプレートなど)→ 日本語を維持。
この英語化と重複カットにより、CLAUDE.md は 17.8KB から 2.7KB へと、約85%のサイズ削減に成功しました。
3. メインモデルの負担を減らすルーティング規律
最も効果が大きいのが、このルーティングの最適化です。
「読むだけ」「書くだけ」の作業は安価なモデルに任せ、高価なメインモデルには「考える・決める・検証する」だけの最小限の仕事をさせる。
以下の3つの質問で、高価なメインモデルの労働を抑えるフローを構築しました。
- 本体コードを書き換えるか? → 実装担当エージェント(Antigravity CLIやGeminiなど)に処理を移譲します。メインスレッドで直接実行させず、明示的なGOサインが出たときだけ動かします。
- 読み込む情報量が多いか? → 1〜2ファイルならメインで処理。3〜50ファイルなら中位モデルのサブエージェントに「要約(digest)」を作らせてからメインに見せます。それ以上の大量調査は、大コンテキスト対応の安価な外部エージェントに任せます。
- 最終判断・レビュー・検証か? → ここは品質担保のため、メインモデルにしっかりと担当させます。
また、ルーティングを効果的に機能させるための3つの原則も設定しました。
- 損益分岐点の意識:移譲のための指示書作成や、戻ってきた結果の確認に手間がかかる小さなタスクは、自分でやった方が早いです。節約コストと作業手間のバランスを意識します。
- 要約(digest)の徹底:サブエージェントの調査結果は、要約だけをメインスレッドに持ち帰らせます。生の調査ログをそのまま貼り付けると、トークンの無駄遣いになります。
- 検証ゲートの設置:サブエージェントの「完了しました」を鵜呑みにせず、最終確認のビルドやテストはメインモデル自身に実行させ、裏を取ります。これにより、手戻りによる余計なトークン消費を防ぎます。
4. 万が一の「フォールバック連鎖」
レート制限やサーバー障害で最上位モデルが使えなくなった場合、あるいは強制的にモデルのグレードが下げられたときの動作ルールも決めておきます。
- 1段階の降格:担当領域はそのまま維持。
- 最終防衛ライン(軽量モデルのみ):アーキテクチャ設計などの重要判断は単独で行わせず、他モデルとのクロスレビューを必須にして品質低下を防ぐ。
導入後のコスト削減効果
この節約ルールを徹底した結果、以下のような効果が得られました。
- 毎ターン:重複プラグインの整理により、約 2〜3K tokens 削減
- 毎セッション(起動時):CLAUDE.md のスリム化により、約 5K tokens 削減
- スキル呼び出し時:英語化および圧縮により、消費トークンが約半分に
開発を進めるほどに、複利的にコスト削減効果が積み重なる環境になりました。
汎用ルールを「token-scrooge」として公開しました
この節約の規律はプロジェクトに依存しないため、汎用的な部分を抜き出してClaude CodeのプラグインとしてGitHubに公開しました(MITライセンス)。 なお、Scrooge(スクルージ)とは、ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』に登場する冷酷な守銭奴(ドケチ)の主人公に由来し、英語で「ケチ」「守銭奴」を意味する言葉です。
https://github.com/papagrationbiz-sketch/token-scrooge
Every token is a coin. Scrooge routes accordingly. (1トークンは1セントのコイン。守銭奴(節約家)は冷徹にルートを選ぶ。)
収録しているスキルは以下の4つです。
| スキル名 | 節約の内容 |
|---|---|
model-routing |
モデル別の担当分け、3つの委譲判定フロー、損益分岐ルール、要約(digest)原則、フォールバックルール |
quality-gate |
セルフテスト(検証ゲート)、根拠ファイルの行数指定、差分レビュー、3敗撤退ルール |
go-ceremony |
コード書き換え前に「GO」の合言葉を要求し、AIの意図しない暴走とトークン消費を防ぐ儀式 |
agy-delegation |
安価な外部エージェントへの処理委譲テンプレート(※要 antigravity-for-claude-code) |
このプラグイン自体も、**「hooksはゼロ、skillsのみ」**という極限の省エネ設計です。常駐コストは完全にゼロですので、インストールしてもトークンを無駄遣いすることはありません。
以下のコマンドでインストールできます。
/plugin marketplace add papagrationbiz-sketch/token-scrooge
/plugin install token-scrooge@token-scrooge
まとめ:トークン節約は開発効率の向上につながる
- トークン削減の本質は「安くて賢いモデルを選ぶこと」ではなく、「高いモデルに無駄な仕事をさせないこと」です。
- まずは固定費(起動時の読み込み)から削り、変動費は適切なルーティング規律で管理します。
- ドキュメントは対象読者(人間かAIか)で言語を使い分けて、AI向けは英語で安く抑えます。
- 規律は文書化・スキル化してAIに提示しないと機能しません。スキル化しておけばルール自体の維持コストもほぼゼロになります。
Claude Codeの請求書やトークン消費にお悩みの方は、ぜひ今回のドケチな節約ルールを取り入れてみてください。
本記事の運用改善および token-scrooge の実装は、Claude Code(Fable 5)と協働し、トークン消費を最小限に抑えながら進めました。
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